こころの健康とは、世界保健機関(WHO)の健康の定義を待つまでもなく、
いきいきと自分らしく生きるための重要な条件です。
具体的には、自分の感情に気づいて表現できること(情緒的健康)、
状況に応じて適切に考え、現実的な問題解決ができること(知的健康)、
他人や社会と建設的でよい関係を築けること(社会的健康)を意味しています。
人生の目的や意義を見出し、主体的に人生を選択すること(人間的健康)も大切な要素であり、こころの健康は「生活の質」に大きく影響します。
こころの病には、統合失調症、躁うつ病、人格障害、薬物依存、痴呆などさまざまなものがあります。
そのなかでも、現代のストレス社会ではうつ病が大きな問題になっています。世界の人口のうち3~5%がうつ病であるとの報告もあり、うつ病は一般に考えられている以上に広く認められるこころの病です。
うつ病は、感情、意欲、思考、身体のさまざまな面に症状が現われる病気です。早期に発見されて、適切な治療を受ければ、大部分が改善しますが、患者の多くは自分の状態をうつ病から生じている症状であるとはとらえることができず、うつ病の治療を受けていないのが現状です。
したがって、一般の人々や医療関係者がうつ病の症状や治療についての正しい知識を持つことが必要です。
当病院では、うつ病を的確に診断し、治療に導入する役割を果たします。